今回は最近話題になっている新型コロナウィルスによるリスク回避局面について、その考察を書きたいと思います。
この数週間、新聞やニュースは新型コロナウィルスの話題で持ちきりです。相場も然り。感染拡大の報を受けて、チャートは軒並み下落トレンドを描いています。
ただ、今回の下落相場ではちょっと変わったことが起きています。円安です。従来なら、リスク回避の局面では円高となるのが常でした。これが今回は円安となっている不思議な状況があります。
そこで今日のブログでは「なぜ、リスク回避で円安となるのか?」という問いに対して、一つの考察を綴っていきたいと思います。もちろん、相場日記も書きますよ。
リスクオフ局面でも円安の謎
最初に相場の近況について触れておきましょう。
多くの方はご存知の通り、2020年の直近の相場は大きなリスクオフの動きを受けて動いています。理由もやはりご存知の通りで、新型コロナウィルスの感染拡大です。中国で広まった感染拡大のニュースを受けて、多くのリスク資産が売られる状況が続いています。
こうしたリスク回避の動きでは、従来であれば円高となるのが常でした。理由は様々ありますが、一説には日本円で建てたリスクポジションを解消する動きがあるため、円が買い戻され円高になるという理由があります。昨年まではリスク回避=円高が基本的な値動きでした。
ところが今回のリスク回避の動きでは一時ドル円112円を示す円安の動きとなっています。ドルは安全通貨ですから、リスク回避で買われることには納得がいきます。しかし、トルコリラやメキシコペソなど、対リスク通貨でも円安となりました。正真正銘の円売りです。
相場の性質からして、この不思議な値動きの理由に対する確かな答えを得ること決してできません。ただ、考察を加えることは可能です。そこで今回は管理人なりの円安に対する考察を述べていきたいと思います。
リスク回避の円安に見る調達通貨の変わり目
先に示した通り、今回のコロナウィルスの一件では円安トレンドが進みました。コロナウィルスの震源地である中国に近いからとか、日本の資産が売られているからとか、様々な理由を付けることはできます。ただ、管理人は投資家筋の資金調達の面から攻めていきたいと思います。
従来であれば、投資家筋の資金調達元となる通貨は日本円でした。これは日本円がゼロ金利通貨であり、借り続けていてもコストの支払いがないためです。加えて、日本では金融緩和策が絶賛進行中ですから、カネ余りの状況が続き、通貨の調達がしやすいという理由もあります。通貨の売買には、買う通貨とセットで売る通貨も必要ですから、リスク資産が決済されるとセットで日本円も買い戻されるという構図がありました。
では、今回のリスクオフではなぜ円が買い戻されずに売られたのでしょうか。答えは、ユーロの買い戻しにあると考えます。
調達通貨がユーロに変遷し始めた理由の考察
今回、不思議なことにリスクオフの局面にも関わらず、同じくゼロ金利のユーロが買われる動きがあります。その理由は、言わずもがな。日本円と同じくして、低金利のユーロが調達通貨に選ばれたのでしょう。要は資金調達通貨が日本円からユーロに移り変わったというのが有力な答えになると考えます。
ユーロといえば、この数年間のあいだに売られ続けた通貨です。理由のひとつが英国のユーロ離脱です。Brexitによるリスクを懸念して、比較的安全なはずのユーロが買い控えられたのです。
しかし、そのBrexitも昨年末に決着がつき、ユーロ圏の先行きもある程度見通しが立てられるようになりました。そこで資金調達通貨としてのユーロ買いが復活したのではないかと睨んでいる限りです。
ユーロ売りを伴うリスク資産の買い入れ、いわゆるユーロキャリートレードは過去の手段となりつつあったように思います。しかし、上記の通り、市場参加者はユーロを買いやすくなっていたのでしょう。そこに来てのコロナ騒動。リスク資産の決済に伴い、ユーロが買い戻された。これで一連の動きに辻褄があってきます。
さらに資金調達通貨がユーロにシフトしたことで、日本円では売りポジションの積み上げが減っていたことでしょう。すると日本円の売り圧力が円の買い戻し圧力を上回り、円安になったと説明が付きます。
下落時こそリスク資産を買うチャンス
とまあ、長々と書いてみました。ただ、投資家にとって市場のメカニズムを理解することが目的ではありません。要はどうやってこのチャンスを生かすかということが重要です。個人的にはいつも通りに高金利通貨の底値買いを狙う局面だと考えています。
現在のトルコリラ円は18円弱のレートです。普段であれば暴落時の買いを推奨しているのですが、今回は円安傾向がありますから暴落というほどでもありません。ただ、対ドルではリラ安が進行しているので買うチャンスと睨んでいます。
チャート分析は割愛しますが、おそらくこの記事を書いている2月下旬から一週間ほど先。3月初旬に底打ちのチャンスが巡ってくるのではないでしょうか。
2月はそもそもファンドの決算時期に当たるので相場は下落基調。ポジションも軽めなので買いの余裕は幾分かあります。さらに3月中旬からは新年度を意識した買いが入るでしょうから、需給的にも期待が持てます。
一方では、メキシコペソについてはあまり期待をしていません。長らく米国資産の連れ高で買われすぎの状況にありますし、チャート分析でもその状況が表れています。あくまで私見ですが、メキシコペソについては売りのスタンスで臨みたいと思っています。
そんな訳で、相場日記も書いてみました。今回の管理人はトルコリラのリバウンドを狙っていくスタンスで臨みたいと思います。ご参考までに。
トルコリラもメキシコペソもセントラル短資FXがおすすめ
最後にCMです。トルコリラもメキシコペソも扱っている便利なFX会社があります。セントラル短資FXです。おすすめは低スプレッドで売買できるトルコリラ円です。
2020年現在では、セントラル短資FXのトルコリラ円スプレッドは1.7銭。このコストはFX業界でもかなり安い方で、非常に短期売買に向いています。
トルコリラの魅力はスワップポイントばかりではありません。下落時、上昇時のボラティリティが高いことも売買する魅力のひとつだと思います。特に下落時のリバウンド狙いならぱっと買ってぱっと売るのが儲けの秘訣だと思います。
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※本記事は管理人個人の意見を述べたものであり、現在および将来にわたって必ずしも事実を表すものではありません。FXは自己責任です。売買にあたっては、読者の方の判断で行ってください。