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ダブルボトムのチャートパターンとリラ底値拾い

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先日の記事で少し触れたトルコリラ円のサポートラインと底値拾いについて解説しようと思います。Wボトムのパターン認識と買い方のセオリーについて記載します。

為替相場には「落ちるエッジは握るな」との格言があります。しかし、有利な位置で買いポジションを建てるには、下落局面に注視せざるを得ません。逆に、底値さえ見極めることができれば、格段に心強いベースポジションを保有することができます。底値拾いは、安値でスワップポジションを拾うための長期保有戦略には欠かせないノウハウです。

今回は、底値の見極めをチャート分析の観点から解説します。底値形成の基本の形とポジション構築のセオリーを突き詰めて書いていきます。

トルコリラ円を39円で

先日からトルコリラは下落一辺倒のトレンドにありました。この点は、以前のコラムに書いた通りです。同時に長期サポートラインの40円に到達し、サポート防衛からのトレンド反転を確認できれば安値で拾うチャンスとも書きました。為替レートが下落局面にある中、管理人は虎視眈々と長期ポジションの基礎を作る機会を伺っていた訳です。

結果がこちら。管理人のtwitterアカウントをでフォローされている方は、目にされたかも知れません。39.4円で拾うことができました。

トルコリラ底値拾いtweetトルコリラ底値拾いtweet

今回は、このような注文をした理由を解説します。普段は当ブログであまり話題にしないチャート分析のお話です。FXだけでなく、株式でも通用するチャート分析の基礎について解説します。

Wボトムの基本と張り方

今回の底値拾いは、Wボトムの形を予想してのトレードです。Wボトムと言えばチャート分析の基本形です。ただ、多くのFX本で重要だと触れる割には、突っ込んだ解説を行っている書籍はほとんどありません。トルコリラ円のチャートを見る前に、はじめに「Wボトムとは何か」について突っ込んで書きましょう。

Wボトムの基本と心理・需給

Wボトムというのは読んで字の如く、ローソク足がアルファベットWの形を描いて底値を付けるチャートを指します。ただ、厳密には2つの底値が一致することは稀で、むしろ二番底が一番底よりも安くなるケースが往々にしてあります。

Wボトムの基本的な値動きWボトムの基本的な値動き

一番底はどのタイミングで来るのか分かりません。むしろ、重要なのは二番底を形成する前後のプロセスです。チャートの二番底を確認すれば、トレンド反転の可能性が高まります。このメカニズムは、相場の心理と受給の関係で説明がつきます。以下にトレンドが反転するまでの過程を列挙します。

WボトムのポイントWボトムのポイント
  1. 一番底で反転。この時点では売り方のポジション決済で動く。
  2. 値が戻りきらないことで再び売り方が強気に。再度、売りが始まる。
  3. 二番底。ここでは買い方のストップ注文を巻き込んで一番底よりも安値となる。
  4. しかし、売り手も安値を更新しないことでポジションの決済を始める。
  5. 売り買いともに、既存注文の大方が消化される。
  6. 下落の勢いがなくなり、買い方=強気、売り方=弱気になり始める。
  7. 売買オーダーの優劣が反転。買い注文が売り注文を上回り、為替レートが上昇する。

Wボトムでのエントリーセオリー

前述したWボトムのチャートでは、当然、トレンド反転のタイミングで買いの注文を入れると利益が出ます。重要な点は、早すぎず遅すぎず、適切なタイミングで買いに入る点です。実はWボトムのチャートエントリーには、王道的な手順=セオリーというものが存在します。以下に図解しながら、エントリーの常套手段を示しましょう。

Wボトムの買いポイントWボトムの買いポイント
  1. 二番底で安値更新するも、値を戻す。ラインブレイクがダマシに終わる。
  2. トレンドの反転を確認したところで買い。基本となるポジションを構築。
  3. 直近高値が抵抗線。短期のトレードならここで利益確定を。買い増しはしない。
  4. 抵抗線を抜けたら急騰。買い増しor再び買い。
  5. 二番目の抵抗線。もみ合い幅の倍(図参照)。ここでまた利益確定。

3.の「直近高値で利益確定」をするのは、再び下落する可能性があるためです。その場合はレンジ相場に入り、三番底、四番底を付ける可能性が出てきます。二番底を確認したとは言え、この段階ではトレンドの反転が確認できません。まだ、下落の可能性が残っています。利益確定しなかった場合は、同値撤退などを行って損失を防ぐ工夫が必要です。

トルコリラ円の短期チャート

ここまでは、一般的なWボトムのセオリーを解説しました。では、今回のトルコリラ円のチャートに当てはめてみましょう。以下は、冒頭から書いている底値を拾った時の短期チャートです。4時間足にしているのは、単に見やすいという理由によります。

TRYJPY4時間足チャートTRYJPY4時間足チャート

最終的に四番底までつけているので、Wボトムから変化したレンジ相場の形です。重要なのは、ダブルボトムかレンジ相場かという話ではありません。底値を確認してトレンドが上昇反転した点です。

TRYJPYの買い・売りポイントTRYJPYの買い・売りポイント

もっとも、トレンドの反転も結果論でしかありません。上昇を確認できずにサポートラインを割りきれば、そのまま下落トレンドが続行していた場面です。まあ、その場合は買わなければいいだけの話ですね。管理人は底値からの反転を確認してから、買い注文を入れた訳です。これならサポートを割って下落という最悪の事態を避けられますからね。

トルコリラ円買い増しトルコリラ円買い増し

メンタルとの戦い方

最後に重要なポイントをひとつ。今回の解説で、皆さんはチャート分析の基本形を理解することができました。では、今後実行することができるかと言えば、それは全く別の話です。辛辣な言い方をすれば「分かった気になっている」だけです。

今後、同じような場面に出会っても、多くの方は買いにはいけないでしょう。おそらく初見の方ならば、三番番底の直近安値を割り込んだ所で心が折れるでしょう。実際、その時点でいくつかのトルコリラブログを拝見しましたが、総じて弱き派に染まっていたことを確認しました。「長期ポジションの下地を作ろう」とか頭のネジが緩んだことを言っていたのは、ウチのブログくらいなもんです。

弱気相場で買いにいけない理由は2つ。ひとつは心理の問題。もうひとつ重要なのは、メンタルをカバーする「経験」の問題です。

今回の下落を経験した方は分かると思いますが、多くのトレード参加者はひたすらに弱気でした。下落局面が頭に刻み込まれ、含み損が増える経験はトラウマとして残っています。人間の記憶システムは不思議なもので、覚えることは得意でも忘れることは下手くそです。直近相場の記憶と、そこから来る恐怖。これがいわゆる「相場のメンタル問題」の本質です。

メンタルの問題を補う方法はいくつかあります。そのひとつが反復練習です。模擬練習を繰り返し、成功体験が失敗体験を上回れば、恐怖や緊張を克服することが可能です。心理を「経験」で克服しようという試みですね。このことはスポーツ、特にメンタルが左右しやすい種目でよく言われる話です。何気に管理人は、メンタルスポーツのテニスを趣味にしていたりします。

FXの模擬練習として、当ブログでおすすめしているのが検証ソフトによる反復練習です。検証ソフトにも色々ありますが、管理人のおすすめソフトはForexTester2(フォレックステスター2)です。裁量トレード向きに特化した練習ソフトです。興味のある方は、以下の記事をご覧ください。

参考記事:ForexTester2(フォレックステスター)のFXバックテスト機能

経験というと、FX歴10年とか20年は難しいものです。管理人も10年には達していません。ただ、ForexTesterでひたすらストイックにデモトレードを繰り返していた時期がありました。そういう経験があったので、今回のような難しい相場でも、しつこく買いのチャレンジを続けることができたのだと思います。ご参考までに。

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