トルコリラを扱うFX会社に新たな選択肢が加わりました。デューカスコピー・ジャパンです。2016年から日本のFX市場へ新規参入し、トルコリラに関しても8月から取り扱いを開始しました。
これまで管理人が利用している限り、同社は他社と比べてトルコリラのスプレッドコストが安く済む傾向があります。一般的なトルコリラ円は、5銭~8銭程度がスプレッドコストの相場です。流石に8銭だと損切に私情が挟まれてしまいます。もし、スプレッドが狭ければ、損切り等のポジション決済も躊躇しないで済むため非常に助かります。
デューカスコピー・ジャパンのポイントは、何よりスプレッドが非常に狭いことです。管理人の見る限り、夜間の取引だと0.5~1.5銭程度、日中でも5.5銭程度で推移しているようです。ただし、飽くまで目安として捉えてください。スプレッド変動制ですので、市場のオーダー状況次第では上記の表記以上にスプレッドが拡大することもあります。
スワップポイントは他社と比べて平均的な値でしょうか。ただ、他にもインターバンクの板情報が見れるといった変わった特徴があります。ここら辺の事情を踏まえて以下にご紹介していきたいと思います。
トルコリラ円のスプレッド1.0銭!
早速ですが、トルコリラの取引条件から。冒頭に書いた通り、デューカスコピー・ジャパンは非常に狭いスプレッドでトルコリラ円の売買を提供しています。以下は、ある日のキャプチャ画面です。
ご覧の通り、NY時間でトルコリラ円のスプレッド1銭を記録していました。最小だと0.5銭まで確認。流通の少ない東京時間では流石に拡大しますが、それでも6銭程度です。もうドル円やユーロ円などのメジャー通貨並みです。
一般的には、トルコリラのようなマイナー通貨のスプレッドは5銭以上開きます。売買オーダーが少ないためです。それが1銭以下になるともなると、優秀なカバー先銀行と潤沢なオーダーがある市場での売買を扱いきらねばなりません。後述するように、親会社のDukascopy Bank SAやインターバンク市場が絡んでいることが、狭いスプレッドを実現できている肝なのでしょう。
スプレッドが狭いことは、取引条件が良いことに他なりません。スプレッドの大きいトルコリラは売買のタイミングが限られがちでした。損切りができなかったり、デイトレができなかったりと、とかく条件上の面倒が多いことがネックでした。ところがスプレッドさえ狭ければ、日中の取引や損切りも躊躇なくできるようになるんです。
カバー先銀行とECN取引
前述のような低スプレッドを提供するには、FX会社が流動性に関する何がしかの工夫を施す必要があります。この点、デューカスコピー・ジャパンの一つ目の工夫は、カバー先銀行が親会社のDukascopy Bank SAとなっていることでしょう。スイスのジュネーブに本社を置き、グローバル展開している民間の銀行です。
日本だと半官半民の銀行がFX会社を傘下に持つことはあまりありません。従って、トルコリラのようなマイナー通貨を扱う場合は、特別にカバー先銀行と提携する必要があります。大体にして、カバー先銀行の良し悪しでスワップポイントの金額やスプレッドの広がり方が決まってくるようです。
ECN取引について
工夫としてもう一点は、「ECN取引」と呼ばれる方式を採用していることです(確認済み)。詳細は割愛しますが、簡単に言ってカバー先銀行にプラスして、ECNと呼ばれるさらに外側の売買市場(俗に言うところのインターバンク)のオーダーも取り扱う方式です。日本だと「インターバンク直結」とか「NDD方式」という表現の方が一般的でしょうか。売買オーダーの絶対的な量が増えるので、スプレッドが狭くなるというメリットがあります。
上記の結果として、デューカスコピー・ジャパンのトレードツールでは、マイナーなトルコリラに関しても多くのプライスが提示される状況が作り出されています。流通量が多いのですね。現在レート付近の提示プライスが多ければ多いほどスプレッドは狭くなりますから、冒頭に示したような狭いスプレッドとなる機会が多々あるのでしょう。
インターバンクの板情報が見れる
デューカスコピー・ジャパンの特徴的な点をもう一つ。それは、先に示したECNの板情報が見れることです。板というのは、その市場に出されているリアルタイム注文の状況を示す情報のことです。
株式もやっている人は馴染みのある板情報。人によっては、この板情報から動向を読んで売買するトレーダーもいるようです。FXではあまり一般的ではありませんでした。くりっく365でも板情報を見ることはできますが、これは飽くまでくりっく365内の取引に限られます。
そもそも、国内で板情報を公開しているFX会社はほとんどありません。ECN取引を採用していないからです。インターバンク市場のトルコリラ円オーダー状況を見ることができるのは、デューカスコピー・ジャパンくらいでしょう。当然ながら、トルコリラ円以外にもドル円なり、ユーロドルなりの板情報を見ることもできます。
スマホアプリはPINが必要
最後にひとつ注意点。外資系FX会社ならではのツールの使い勝手についての考察です。
デューカスコピー・ジャパンのトレードツールは、基本的にクセのない作りになっています。そして、完全に日本語対応もしています。ただ、一点だけ特徴的で面倒なのは、最初の1回はPINを打ち込む必要があることです(PCインストール版JFOREX)。スマホアプリだと毎回PINコードを打ち込む必要があります(下記画面参照)。
PINコードを打ち込む理由はセキュリティ上の必要性によるものです。ただ、日本のFX会社ではあまり採用していない方式なので、初見では少し戸惑うかも知れません。管理人は、口座開設の当初はここでつまづきました。
とは言っても、一度慣れてしまえば簡単です。加えて言えば、同社はアフターフォローが非常に行き届いていて、不明点があればすぐに聞くことができます。深夜まで対応しているチャットサポートはもちろん、口座開設からログインまでもフォローの電話が掛かってきます。ここら辺は、ある意味で外資系らしい優良なサービスだと思います。
個人的には、現段階でチャットや電話のお世話になるほどの問題は生じていません。ただ、同社の提供サービスのひとつで自動売買のプログラム作成ツールがあります。管理人も自動売買には挑戦したいと考えているので、今後はこの辺でお世話になるかも知れません。
まとめ
デューカスコピー・ジャパンのトルコリラ円について特徴をまとめると以下の通りです。いくらか細かい点も付け足します。
- スプレッドが非常に狭い(夜間1銭未満~日中5銭程度目安)
- スワップポイントはまあまあ(業界平均程度)
- なぜか無いに等しい手数料を取られる(100万円の売買に付き40円程度)
- アフターフォローが充実(深夜まで対応するチャットサポート等)
- PINコードのセキュリティはちょっと面倒
- 自動売買のツールもある様子
個人的に期待することと言えば、トルコリラの通貨ペアを増やして欲しいことですね。外資系なら、ユーロリラやドルリラがあっても良いと思います。ただ、トルコリラ円や南ア円もユーザーの要望で提供開始したそうなので、要望を出せば追加実装するかも知れません。
現段階で管理人は、ともかく狭いスプレッドでトルコリラ円のスイングを取るトレードに利用しています。タイトな損切り注文を入れてもOK。日中でもそれなりのスプレッドに収まっているので、おかしなタイミングでの損切りを心配せずに済んでいます。デューカスコピー・ジャパンの詳細・口座開設は、以下のリンクからどうぞ。