トルコリラのスワップポイントが上下する要因とは一体何でしょうか?
本質的には金利通貨ですから、トルコの政策金利に比例してスワップポイントも上がるはずです。しかし、実際問題としてはFX会社各社で金額がマチマチであるのが現状です。スワップポイントに差異が生まれる理由は、また別にありそうです。
2017年に入り、トルコリラ円のスワップポイントが徐々に回復しています。理由のひとつは円安です。リラのレートはメジャー通貨に対して全般的に下落したままの傾向が続いています。ただ、トランプラリーの円安によって、トルコリラ円ではスワップポイントも上昇傾向にあります。
という訳で、今回はスワップポイントを左右する基本因子を解説した上で、FX業界の実態を交えた解説をしていきたいと思います。
スワップポイントの基本計算式
最初に基本事項として、一般論としてのスワップポイント計算式をおさらいしておきましょう。FXでは日を跨いでポジションを持つ場合、通貨間の金利差によってスワップポイントが発生します。本来、金利差は1年当りのパーセンテージで示されるのですが、FXでは便宜的に1年を365日で割った1日当りの金利を適用します。現在、金利差7.9%、為替レート31円/リラの計算を併せて書くと、計算式は以下の通りになります。
注意すべき点は、途中の計算までは保有ポジションの通貨単位で計算していることです。例えば、10,000リラを保有する場合、1日当りの金利は約2.2リラです。しかし、日本のFX会社でトレードする限り、利益は日本円で受け取りますので最後に円/リラの為替レートを掛けて円換算します。最後に±αで若干の調整が入ります。基本的にはここで売りのスワップポイントは買いポジションのそれを上回るように設定されます。
まあ、この計算式を眺めてみると、なんとなくスワップポイントの上下する要因が見えてきますね。次章に解説を加えたいと思います。
スワップポイントが上がる理由・下がる理由
前述の式を見直してみましょう。式にはいくつかの項が含まれます。単純に言って、この項目の値が大きくなる変化があれば、スワップポイントの金額も上がると考えて良いでしょう。
各項目が上下する理由は以下の通りです。
- 保有通貨量:これは個々人のトレーダーが決める項目です。保有量が多ければスワップポイントも増えます。ただし、為替レートの上下によるリスクも増えるので要注意。
- 金利差:現在は主としてトルコ中央銀行の利上げ判断・利下げ判断で上下します。トルコ中銀は多くの場合、第3週木曜日に発表の日程を組んでいます。2017年現在の所、中銀は市場から利上げ判断を求められていますが・・・。
- リラ円レート:日々の為替変動で上下します。単純な話、リラ円のレートが上がるとスワップポイントも上がるという相乗効果があります。リラが上がる以外に円安が進んだ場合もリラ円のレートが上がります。
余談ですが、慣例的的に毎週木曜日はスワップポイントが3倍に設定されていることが多々あります。為替売買の受け渡し日が2日後であるためです。木曜日は2日後土日持ち越し分の前倒しとして、3日分の金額を計上する方式を採用する会社が多くあります(当然ながら、例外もあります)。
スワップポイントとFX会社の実際
とまあ、スワップポイントの基本計算式を解説しました。実を言うと、ここまでの解説は飽くまで「基本」で例外が多々あります。というのも、実際の所ではFX会社は自由裁量でスワップポイントを決めることができるからです。計算式から出てくる金額は多分に意識しているでしょうが、実際問題としてはそこに±αのさじ加減が加わる現状があります。
各社でスワップポイントの金額が異なる理由は、FX会社のリスクテイク度合いによるものでしょうか。ごく単純に言って、スワップポイントの金額を抑えれば、その分はFX会社の利益になります。ただ、当然ながらスワップポイント目的の投資家はそんな口座を避けますから、FX会社では顧客獲得動向を見ながらある水準以上の金額に設定する必要が出てきます。なんだかんだで、業界水準というものができあがっているようです。
FX会社サイドでも、高金利通貨のユーザーニーズが分かっているようで、金利通貨のセールスに力を入れている会社ではスワップポイントが高めに設定される傾向があります。最近では、スワップポイント競争の様相すら呈していますね。各社のポリシーも色々なようで、中には赤字覚悟の出血サービスなんて噂も耳にする機会がありします。
長期ロング派向けのFX会社
最後にスワップ派に送る管理人からのメッセージです。個人的にスワップ目的の保有で使うべきは、その時だけ金利の高いFX会社よりも安定している(悪く言えばそこそこの)FX会社であると思います。長期保有を前提とした場合、スワップポイントの変動(特に下方修正)は好ましくありません。ポジション解消・口座乗り換えの必要が出るためです。ただでさえ心理的にも長期のポジションを握るのは精神的にキツイものがあります。
端的に言って、長期スワップ派にとっては、信頼のおけるFX会社=条件の安定している会社と言えるでしょう。ここで言う「条件」というのは、スワップポイントに加えて、レバレッジや必要証拠金も含めます。レバレッジ規制で強制決済とか目も当てられません。
そんな訳で、管理人はスワップ派の方にはセントラル短資FXを推しています。以下は同社が公開している日々のスワップポイント履歴です。
2017年3月は平均して1日82~84円。どうです?安定しているでしょ。興味のある方は、以下のPRページもご覧あれ。スワップポイント派におすすめです。
※本記事は2017年3月現在の状況を説明したものであり、将来に渡る事実を保証するものではありません。FXは自己責任です。為替相場への投資判断は自己の裁量の元に行ってください。