今回は株やFXのトレードスキルを向上させるための方法(メソッド)について語りたいと思います。PDCAです。
PDCAは、ビジネス界ではもはや定番の改善メソッドです。Plan(計画)、Do(実行)、Check(結果の見直し)、Action(改善案)の頭文字で、このサイクルを回すことで効率的に作業や知識の改善を図っていこうという手法です。本業でビジネスに携わる方には、もはや定番のフレームワークであるかも知れません。
さて、このPDCAはトレードのスキルを伸ばす際にも利用することができます。今回は有用な補助ツールの紹介も兼ねて、株やFXのPDCAについて述べていきたいと思います。
トレードスキル向上のためのPDCA
冒頭に書いた通り、PDCAサイクルによる改善メソッドはトレードスキルの向上にも役立ちます。なにせ、相場は継続的な勉強と手法改善が必要な世界ですから、その相性も抜群です。
例えば、以下のような事例です。相場スキルの改善サイクルをPDCAのフレームワークに当てはめてみました。
- Plan;チャートを読み、環境認識を図る。
- Do;エントリー。ポジションを取る。そして、エグジット(利益確定や損切り)。
- Check;トレードのうまくいったところや失敗したところを確認。メモする。
- Action;「次のトレードではこうしよう」という反省点や改善点を練る。
気付かないようでいて、誰しもこんなPDCAサイクルを回しています。ただし、本当に改善につながるかは別問題。メモや文章に起こしてみることで初めて気づくことが多々あります。
ポイントは「実際に文字などの形にして俯瞰的に眺めること」です。これで冷静に自分のトレードを振り返ることができます。自暴自棄なトレードや自虐的なナンピンを防ぐ役割も果たしますね。できるビジネスマンと同様に、できるトレーダーは冷静に自分の考えをまとめることができるのです。
まずはトレード日記を書いてみよう
上記のPDCAサイクルを回すに当たって、役に立つのが「トレード日記」です。
このことは色々な入門書で異口同音に言われていて、やはり定番の方法となっています。管理人も例外なくトレード日記をつけています。Office365に同梱されているOneNoteを利用していますね。
管理人が提案するのは、以下の項目が入っているトレード日記です。
- 日付
- チャートの画像
- エントリーの時に考えていること
- トレードの結果
- トレードが終わったときに考えたこと
- 反省点
そんなに難しく考える必要はなくて、本当にメモ書き程度でOKです。むしろ、日記を付ける習慣を持つことの方が大事で、あまり力を入れすぎると面倒くさくなってしまいます。
巷の情報では「儲かる手法」だとか「役に立つインジケータ」だとかの情報が跋扈(ばっこ)しています。まあ、そうした情報が役に立つこともあります。ただ、そればかりでなく、自分自身の振り返りをすることもやはり相場では必要な取り組みだと思う次第です。
トレードスキルは検証ツールで爆発的に向上する
ここまでは基本的なPDCAの取り組みについて語りました。では、もう少し高度な取り組みについても書いていきましょう。ずばり検証ツールの利用です。
前述のように、トレード日記を付けることはトレードスキルの向上に役立つと考えます。ただ、非常に時間が掛かります。スキャルやデイトレを対象にしない限り、PDCAサイクルの周期が長くなってしまうのが問題です。これではなかなか相場で勝てるようになりません。
そこでPDCAサイクルの時短を考えます。補助ツールの利用です。例えばFXの場合ですと、ForexTester5という商品が販売されています。
このツールの便利な点は、以下の通りです。
- チャートを早送りすることで短時間でトレードを実体験することができる。
- 実際のトレードと同じようにポジションの大きさを変えることができる。
- 過去の大量のデータを参照することで、普通は体験できないような大きなイベントに触れることができる。
- 後付けバイアスが掛からない。
後付けバイアスについては、次の章で少し補足したいと思います。
チャートの後付けバイアスとは
よく相場の振り返りをする際に参照するのが「すでに出来上がった過去のチャート」です。良くも悪くも「結果が出ている」チャートです。これが後付けバイアスを生み出す原因になります。
後付けバイアスというのは、こうした「すでに出来上がったチャート」を見て、「こんなところではエントリーしないだろう」とか「ここが的確な利確ポイントだな」とか考えることです。いわゆる「結果論」のことで、これが害悪を招きます。なぜなら、実際の相場では「出来上がったチャート」を眺めることができないからです。いくら分析を繰り返しても、実践のチャート分析では役に立たないスキルとなります。
当たり前ですが、みな誰しも未来を知ることはできません。実際に相場に対峙したときに持っている情報は「現在と過去のチャート」だけです。未来の情報は知ることができないのです。
話を元に戻しましょう。先にご紹介したForexTester5では、そうした後付けバイアスが掛かりません。スペースキーや再生ボタンを押すたびに次のチャート足が出てくる仕様なので、未来の情報を知りようがないのです。
チャートを手で目隠しして、後の展開を予想するというゲームをしてみても良いでしょう。いずれにしても重要なことは、未来の情報なしにエントリポイントを探す工夫をすることです。
検証ツールを使いながらトレード日記を書いてみよう
章の初めに書いたとおり、検証ツールを使うと短い時間でPDCAサイクルを回すことが可能です。その結果、トレードスキルが爆発的に向上します。管理人も例外なく、これでスキルを伸ばしました。
ともかくPDCAサイクルを速く回す。これがスキル向上の近道だと管理人は考えます。
そこでも役に立つのがトレード日記を付ける習慣です。「今回の検証はここがうまくいった」「次の検証では別の視点から分析してみよう」などなど、確実に次のステップに進むための材料が残るからです。人はともかく忘れやすい生き物ですし、こうしてできたノートは近い将来に自分の手法を見直す際にも役立ちます。
「検証ツール×トレード日記」の組合わせは、本当におすすめの勉強メソッドです。
まとめ~相場スキルを伸ばすなら
以前から感じていたこととして「デイトレやスキャルピングのスタイルを持つトレーダーほどトレードスキルが高い」というイシューがありました。その謎もPDCAサイクルの速さを根拠に考えれば、説明がつくことなのかも知れません。
ただ一方で、相場は長期投資の方が儲かりやすいというジレンマがあります。おそらく検証が困難で参入障壁が高く、いまだ優位性が残っていることが理由なのかも知れません。実際、長期のトレンドは意図的にダマシを発生させることが難しいので、素直な値動きをする傾向にあります。
そんなデイトレも長期投資も、補助ツールを利用すればスキル改善のPDCAサイクルを速く回すことが可能です。是非とも参考にしてください。
今回の内容をまとめます。
- 相場のPDCAサイクルを回してトレードスキルを改善しよう。
- 基本はトレード日記を付けること。自分のトレードを冷静になって眺めよう。
- 補助ツールを利用すればPDCAの速度がアップ。爆発的に向上させることができます。
- 短期トレードも長期トレードも基本は検証作業です。地道な努力が実を結びます。
なお、2021年12月の現在、検証ツールのForexTester5がクリスマスセール中です。お値段約160ドル。PDCAの時短ツールにお役立てください。