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異業者両建てのロスカット回避には資金移動が必要

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異業者両建てには資金移動が必要

本項では、異業者両建てによりトルコリラのスワップアープ(裁定取引)をする場合の実践例を説明していきます。

まず、スワップ金利のアービトラージュをする場合、①スワップ金利の高い証券会社と②スワップ金利の低い証券会社の2つが必要であることは、別のページでご紹介しました。

さらに重要なことは、③余裕資金をプールするための銀行口座が必要になることです。 これは、トルコリラの相場変動で2つの口座にキャピタルゲイン(為替差益)が出るためです。

両建て為替差損両建て口座の為替差損

2つの口座間で、キャピタルゲインの収支は同額です。 しかし、含み損が出ている口座の損失が拡大するとロスカットに引っ掛ってしまいます。

ロスカットを回避するためには、利益が出ている口座から損失が出ている口座に資金を移してやらねばなりません。 この資金移動のために、ネット銀行を介する必要があるのです。

ロスカットを回避するためのシステム構成

具体的な例を見て行きましょう。

例:1TRY/JPN=50円で両建て⇒1TRY/JPN=50.5円になった場合

10,000通貨当たり、0.5万円の損失と利益が同時に生じます。

買い持ちの口座では、0.5万円の利益が出ます。

売り持ちの口座では、0.5万円の損失が生じます。

為替レートの変動と損益レートの変動と口座の損益

ここでは、①セントラル短資で買い持ちをし、②ヒロセ通商で売り持ちをしたとしています。

ヒロセ通商の口座では、-0.5万円の損失が出ます。 このまま損失が続けば、損失が余裕資金を上回り、建て玉が強制決済されてしまいます。 ロスカットの危機です。

そこで、必要なのがネット銀行経由での資金移動です。

ネット銀行を使った資金移動ネット銀行を使った資金移動

ご覧のように、ネット銀行を介して資金を移動させてやれば、ロスカットを避けることができます。

ただし、証券会社⇒ネット銀行への出金はタイムラグがあります。 このため、いつでも資金移動ができるように、ネット銀行にはある程度の資金をバッファとしてプールしておく必要があります。

1日の相場変動でロスカットされないために

前述のシステム構成では、①セントラル短資、②ヒロセ通商、③ネット銀行の全てで、3万円の余裕資金を持たせました。 合わせて、1口=20万円の資金が必要な訳です。

口座 必要証拠金 余裕資金 預入金合計
買い持ち口座 5万円 3万円 8万円
売り持ち口座 5万円 3万円 8万円
ネット銀行
(資金移動用)
0万円 4万円 4万円
計20万円

※必要証拠金は、2013年11月現在の金額。

この3万円という金額は、トルコリラ/円の一日の動きに耐えられるように設計した金額です。

一日の変動に耐えるためには、3万円の余裕が必要です。

従来のトルコリラ円の相場を見てみると、一日の相場変動は平均50pips(50銭)程度です。 ですが、相場の変動が激しい日はもっと動きます。 実際、2013年は250pips(2.5円)ほど動いた実績があります。 為替が2.5円動けば、1万通貨当たり25,000円の損益が発生します。

という訳で、ロスカットに遭わないためには、3万円程の余裕を残す必要があるのです。

トルコリラの取引コストは、往々にして高額です。 そのため、ロスカットが増える程コストがかさみ、利回りを悪化させる原因になってしまいます。 ロスカット貧乏にならないためには、日々の監視と資金移動のメンテナンスが必要不可欠です。

関連ページ:異業者両建てのロスカット回避(2)

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