夏枯れ相場のお勉強企画ということで、今回はRCIというインジケータの読み方を解説していきます。
RCIとはRank Correlation Indexの略です。簡単に言って、通貨のトレンドを判断する指標の一つと言えばよいでしょうか。基本的にチャート上の通貨が上がればRCIも上昇し、通貨レートが下落すればRCIも下落します。
そもそもが古い分析指標なのですが、昨今、再び注目を集めています。ポイントなるのは、長期と短期のRCIを組み合わせること。個人的には、トレンドの逆張りを狙ったトルコリラの割安ポイントを探す目的で利用しています。
今回は、最近のトルコリラ円チャートと併せて、利用方法を学んでいきましょう。
RCIをチャートに表示する
最初に分析指標をチャートに表示する方法を解説しましょう。RCIはそこそこメジャーなインジケータではあるのですが、稀に扱っていないチャートツールやアプリも存在します。ここでは、RCIの扱いがあるセントラル短資FXのアプリ「Quickトレード+」で説明を行っていきます。
インジケータの設定は、右上の工具マークから行います。設定画面を開いた先にある「テクニカルエリア」の中に、RCIの追加を行うタブがあります。
ここでお好みの設定期間を入力し、チェックマークをタップすればOKです。他のスマホ向けのアプリやPCツールででも、基本的な操作方法は似たようなものです。
短期と長期の組み合わせ
具体的な指標の設定として、管理人は長期RCIと短期RCIの組み合わせ表示を行っています。設定期間は長期RCIが52本、短期RCIが9本です。ごくごくありふれた設定期間です。
- RCIの設定期間
-
- 短期RCI:9本
- 中期RCI:使わない(お好みで21本も可)
- 長期RCI:52本
一般的には、中期RCIがデフォルトの設定で表示ONになっているようです。管理人は使いませんが、ここら辺は好みによって使い分ければ良いと考えます。
短期RCIと長期RCIを併用する理由は、現在のトレンドと直近の動向を切り分けて考えるためです。RCIは基本的に為替レートが上がれば上がり、下がれば下がります。ただ、期間設定が短くなるほど、鋭敏に反応します。
この点、長期RCI(52本)で長らく続くトレンドの動向を確認し、短期RCI(9本)で目先の変化を追う使い方ができます。逆説的には、短期RCIが転換しない限り、長期トレンドも転換しないという見方をすることもできます。
トルコリラ円仕込みのタイミング
話をトルコリラ円に移しましょう。トルコリラ円は、直近のクーデター騒動と円高傾向で低空飛行を続けています。直近のチャート上のポイントは、底割れかと思われる下落から、元の水準に戻すというダマシの値動きがあったことです。ラインブレイクの失敗はトレンド転換のシグナルです。
個人的には、このダマシの値動きを過ぎた所がエントリーの探りどころだと考えています。ここで利用するのがRCIです。トレンドの転換を見極める目安として、短期RCIが上向くタイミングを待ちます。
現在のトルコリラ円は下落トレンドですから、長期RCIは底這いを続けています。当然です。ただ、仮にトレンド転換するようなら、短期RCIの上昇に引っ張られて上向くという動きを見せるはずです。そこで短期RCIの転換に合わせてエントリーする(ポジションを仕込む)というトレード計画が立ちます。
管理人的には、ここが逆張りエントリーのタイミングです。短期RCIの動向を見ながら、短期的なトレンド転換を狙います。いきなり大幅上昇とはいかないでしょうが、短期的なトレンドは上向きになるはずです。思惑に反して長期の下落トレンドが継続しても逃げ場を探すことができますしね。戻ってきても、大人しく同値で逃げれば良い訳です。
割安感のあるところで仕込む
以上の通り、今回はRCIというインジケータを使ってトルコリラ円の分析を行ってみました。実は今回の一件で重要なのは、値動きの予想はせず、単純に割安感のあるところで仕込むことに集中している点です。
為替レートに絶対的な割安・割高の水準はありません。ただ、一時的・相対的な割安感を探る方法はいくつかあります。その一つが今回のRCIを使った分析手法です。短期RCIの上下は、一時的な割高・割安を示す指標と解釈することもできます。
問題があるとすれば、短期RCIでも反応が一歩遅れることでしょうか。もう少し鋭敏な反応が欲しいのであれば、似たような指標のRSIを使うという方法があります。管理人書き下ろしのレポートでは、メジャー指標であるRSIを使ったトレード手法も記載しています。今回ご紹介したセントラル短資FXの口座開設をされた方、全員にプレゼント中。口座開設は下記リンクからどうぞ(キャンペーンは2017年2月に終了しました)。
直近の動向として、為替市場は夏枯れ相場の真っ最中。トルコ経済の動向も不透明でムーディーズの格下げが噂されています。それでもトルコリラは対ドルでクーデター前の水準に戻すという不可解な値動き。一方の円高・円安も日銀が追加緩和に踏み切ったにも関わらず、ドル円レートが下落したままという不思議な値動きを見せています。
こんな市場の動向が不透明な場合、管理人はとりあえず割安なところでポジションを作っておくという選択肢が浮かびます。材料は後から付いてくると言う考え方ですね。以上、ご参考までに。
※本記事では、管理人個人の主観に基づく記載を行っています。FXは自己責任です。本稿は読者の方にトレードを強要するものではありません。FXのトレードはご自身の責任で行ってください。