今回はFXにおけるリスクマネジメントと資金繰りのお話をしたいと思います。読者の方から質問が寄せられた利益を引き出すことの是非(特にスワップポイント分)についても言及します。
FXのブログやHPで頻繁に話題に上がるのが予想や分析といった内容です。ただ、それと同等に重要なのがリスクマネジメントという要素です。例えば、先日のトルコリラが暴落した状況では、大きな損失を被った方もいるでしょう。そんな場合、損失という傷に対して「手当て」をする必要が生じます。予想外の損失を埋めるために、それ以前から余裕資金をプールしておかねばならなかったのですね。
予想や分析以外にも、待機資金やレバレッジの掛け方、建て玉の張り方もFXの最終利益を左右します。待機資金については、勝った利益の一部を出金しておくのも一つの手段となり得ます。トルコリラの場合、スワップポイントを引き出しておくのもアリですね。
そのような訳で、今回はリスク管理のひとつである資金繰りの仕方を話題に扱ってみようと思います。そこから派生して、利益を出金することの是非についても意見したいと思います。
投資資金の割り振り方
最初に投資資金の割り振り方という話題に触れたいと思います。一般に言われる「1/3ルール」という資金管理の手法です。まず、ちょっと下の図を見てください。FXにおける資金の分割方法とそれぞれの用途をイメージで示しています。
トレードで勝つというと、連戦連勝を重ねて資金が倍々に増えるというイメージがあるかも知れません。しかし現実には負け戦もありますし、想定外の事態もあります。そもそも、勝率ばかりが勝つための手段ではなく、重要なのは勝率×利益の期待値ですからね。手法によっては、連敗を続けても大勝を狙うという方法もあり得ます。
いずれにせよ、リスク管理においては負けを前提に考えるべきでしょう。前述のイメージで待機資金や余裕資金の枠を設けておくのにはこうした理由があります。極端な話、10連敗してもトレードを続けられるための余裕が必要である訳です(まあ、トルコリラの場合はスプレッドコストが高いので、勝率重視でやった方が勝ちやすいのですが)。
トルコリラのレバレッジ
前述の資金の割り振りを行うと、FX口座の資金からポジションを建てるのに回すことができる金額も限られてきます。口座資金というマスに対して、どの程度の配分を投資のリスクに晒すのか。つまりは、レバレッジの掛け方が決まってくるという訳です。
レバレッジの目安はトレード期間の長短によって異なります。それぞれのトレードスタイルにおけるレバレッジの目安は、個人的には以下の程度だと考えます。
- 積み立てや長期保有のレバレッジ:1~3倍
- スイングトレードやデイトレードのレバレッジ:3~5倍
期間によって異なると書きましたが、正しくはリスクの程度によって異なります。特に長期保有のレバレッジが低いのはリスクテイクの機会が多いからですね。長期の保有を前提にすると、どうしても暴落時のロスカットを回避する必要が出てきます。暴落のリスクを回避するにはレバレッジを下げる以外に方法がありません。
一方のスイングトレードやデイトレは、一方的な上昇・下降トレンドを取りにいくスタイルです。この点、下がる局面ではさっさと損切りするのが正しい判断で、相対的にリスクテイクの頻度は低いと言えます。それでもメジャー通貨に比べてレバレッジを少な目に設定しているのは、トルコリラの値幅が大きいからですね。トルコリラは値動きの荒い通貨ですので、リスクを平準化するためにレバレッジを低く押さえる必要があります。
こうしたレバレッジの掛け方や増やす・減らすのタイミングについては、先日公開した特別レポートに具体例を交えて記載を行いました。セントラル短資FXに口座開設・取引ノルマ達成でダウンロードできるようになりますよ。興味のある方は以下のリンク先ページも併せてご覧ください。
勝ち分の一部をプールする
資金繰りの話をすると、ひとつ疑問に浮かぶのが出金を行うことの是非です。結論から述べると、出金することはOKですし、むしろするべきだという意見を持っています。
繰り返しになりますが、FXというとひたすらに売買を繰り返して(場合によっては保有を続けて)口座資金を増やすというイメージばかりが先行します。ただ実態としては勝ちが続くこともあれば、ドーンと負けることもあるものです。特に暴落というのは新興国通貨に限らず、日本円のような先進国通貨であっても震災や原発事故といった想定外の事態で大きく上下するリスクをはらんでいます。
先の資金割り振りの図を改めて見直してみましょう。1/3ルールで運用するということは、勝った資金についても1/3は現金としてプールするという意味なのです。こうして緊急予算を作っておくことで、万が一の事態にも備えておく訳です。
マネーマネジメントというのは、飽くまでリスク管理のひとつです。重要なのは、リスク対策の取り組みを計画的に行うことですね。よく、負けたら負けた分だけ貯金から補填するというトレーダーがいますが、これは無計画極まりないスタイルです。負けが続けば泥沼化必至で、負けるためにFXを続けるような事態に陥ります。
スワップポイントを引き出す
最後に読者の方の疑問に対する回答をひとつ。日々貯まるスワップポイントを引き出して良いかという質問です。勿論、答えはYesです。資金管理およびトレード計画を「スワップポイントは引き出す(使う)」という前提で組み立てればよいためです。投資信託や株式で言うところの分配金を自分で作るというやりかたですね。
FXではキャピタルゲイン(為替差益)を得て、それを引き出して使うという考え方が一般的です。ただ、トルコリラの場合、インカムゲイン(スワップ利益)も相応の貢献をします。この点、預け入れ資金はそのままに、スワップポイントだけを利益と認め、引き出すこと自体はトレーダーの自由です。
ただし、いくつか課題があります。ひとつは、トルコリラの為替レートが上がらない限りは、預け入れ資産は増えないことです。トルコリラが下落局面にある場合は、預け入れ資産の減少を加速させる要因になってしまうことは覚えておきましょう。投資信託でも、分配金を払い過ぎてファンドの資産価値が減り続けている商品が多々あります。
もう一つは、スワップポイントの利益がポジションを精算するまで確定しないFX会社が少数だけあることです。スワップポイントの利益が預け入れ資産に組み入れられない場合、資金を引き出した分だけ証拠金が減ってしまいます。ロスカットのリスクが高くなる訳ですね。ロスカットを受ければ、トレード計画が破綻してしまう訳で、資金管理の面から好ましくありません。
スワップポイントを出金できるFX会社
余談ですが「ポジションはそのままでもスワップポイントが引き出せます」というアピールをしているFX会社があります。実はそんなことは当たり前で、スワップポイントの利益は日々、預け入れ資金に組み込まれます。そうでないFX会社の方が稀な存在でしょう。資金管理さえしておけば、スワップポイントを引き出すことはトレーダーの自由です。前述のアピールポイントにはあまり意味がないことが分かります。
トルコリラの買いで臨んだ場合、スワップポイントが利益に上乗せされます。このインカムゲインは保有期間1ヵ月程度だと、キャピタルゲインの1/3程度になりますね。緩い上昇トレンドほど、インカムゲインが大きくなってきます。ここら辺の実態は、トルコリラをトレードしてみないと分からないところがありますね。
そんなトレードの実態も特別レポートには記載してみました。ご興味のある方は、セントラル短資FXの口座開設を是非。トレードノルマ達成でダウンロードURLが送られてきます。当然、セントラル短資FXは、スワップポイントを引き出せるFX会社ですよ。
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