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1月のFX市場アノマリーと短期動向

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今回は、1月の重要なイベントと例年のアノマリーを紹介します。また、短期動向と称して、トルコリラのFX相場について短観を語りたいと思います。

2015年に入りトルコリラは僅かながら買いのトレンドで新年が始まりました。もっとも、これは昨年末からの値動きを継続する値動きです。第2週のポジション調整と米雇用統計発表の消化を経て、月末にかけて新たなトレンドが発生することでしょう。特に、月末に控えるFOMC(米連邦公開市場委員会)の会合は、今年の米国の方向性を位置づける重要なイベントです。1月のアノマリー「ジャヌアリー・エフェクト」についても触れながら、解説をしていきましょう。

第一週は年末のトレンド継続

はじめに、1月のここまでのトルコリラ為替相場をおさらいしましょう。FX市場は正月休みの日本市場を除いて、世界的には1月2日から開場していました。年明けから現在までの為替の値動きを示します。以下は、2015年1月12日現在のトルコリラ対ドル、対ユーロの日足チャートです。

2015年1月ドル対リラはわずかにリラ買い2015年1月ドル対リラはわずかにリラ買い
2015年1月ユーロ対リラは緩やかなリラ買い2015年1月ユーロ対リラは緩やかなリラ買い

対ドルでは僅かなリラ買いドル売り、対ユーロでは大幅なリラ買いユーロ売りとなりました。メジャー通貨に対して、トルコリラが買われているのです。これは、昨年から為替ニュースで取り沙汰されている原油価格の下落が好要因として働いているためであると考えます。言わば、昨年の流れを継続する値動きがあったわけです。

年末からクリスマス休暇を挟み、年始にトレンドが継続する動き。これが、例年1月に起きやすいアノマリーのひとつです。FXに参加する海外ファンドにしてみれば、クリスマス休暇は短期の連休でしかないのでしょう。外人に言わせると、お正月に長期に休む日本人は「クレイジーだ」と表現されます。海外の投機筋にしてみれば、年始と言っても去年の続きという認識があるようです。

第二週はポジション調整

トレンド継続で始まった月初ですが、第2週に入るとポジション調整の局面となりました。トルコリラでは、USDTRYで明確なトレンド収束が見られました。

リラ売りトレンドは一旦収束リラ売りトレンドは一旦収束

ポジション調整があった背景には、米雇用統計の発表があります。今年2015年1月の米雇用統計発表は、第2週の9日(金)でした。毎月の雇用統計発表が近づくと、ヘッジファンドはポジション減によってリスクを減らす動きを見せます。対ドル通貨では、それまでの値動きが一旦、落ち着く傾向がある訳です。これは言わずと知れた毎月の値動きでしょう。アノマリーというほどのものではないかも知れません。

今回発表された内容は、強弱が交じる結果となりました。失業保険申請数は減るポジティブな結果の一方で、平均賃金が低下しているという数字が発表されました。ある意味、いずれも折り込み済みの結果だったんじゃないでしょうか。

米雇用統計の結果(2015.1.10)

  • 非農業部門雇用者数25.2万人(予想24.0万人)
  • 失業率5.6%(予想5.7%)
  • 平均自給24.57ドル(前月比0.2%減)

指標の結果が折り込み済みと言い切れるのは、やはり例年通りの1月雇用統計のアノマリーに順じているからです。例年、1月は雇用統計で好結果が発表される傾向があります。その根拠は明白です。雇用増と賃金低下が同時に起きる理由は、年末にクリスマス商戦とアルバイト雇用があるためです。年末の人手不足を補う手段は、非正規労働者の臨時雇用と相場が決まっています。雇用者数は増えるものの、臨時雇用者の賃金は安く設定されているという訳です。ここら辺の事情は、役に立つFXサイトやニュースソースであれば解説が加えられています。

ジャヌアリーエフェクトとは

ここで、1月の面白いアノマリーをもうひとつご紹介しましょう。1月のアノマリーと言えば「ジャヌアリー・エフェクト(January effect)」です。株式で言われる5月の「セル・イン・メイ(sell in May)」は有名ですが、1月のアノマリーはあまり知られていないのではないでしょうか。

ジャヌアリー・エフェクトというのは、「1月のドル安・ドル高の傾向は、その一年に渡り継続する」というアノマリーを意味しています。要は、新年最初の値動きが、その年一年の値動きを占うという意味ですね。迷信のようですが結構、的を得ているようで、例えば、ユーロ対ドル市場では2010年から2013年まで4年連続してアノマリーが成立しています。外れてしまった2014年も、まあ大体1月2月の傾向が、その年の値動きを決定付けています。

ジャヌアリーエフェクト(ユーロ対ドル)を検証ジャヌアリーエフェクト(ユーロ対ドル)を検証

アノマリーの背景にどのような理由があるのか、解釈の程は定かではありません。ただ、無理に解釈を加えるとするなら、「一年の計は元旦にあり」ということでしょうか。為替に限らず、正月に決めた目標というのは、不思議と継続しやすい傾向にあることが知られています。実際問題として、政府組織や金融業界では新年に新たに目標を据える訳で、それが人を動かし、組織を動かし、そして為替レートを動かすのでしょうか。

ちなみに、トルコリラでは、昨年2014年の1月に発表した緊急利上げが一年間の為替レートを決定付ける要因となりました。昨年のトルコリラ対ユーロでアノマリー通りの展開となっていて、現在までずっとリラ買いのターンが続いています。

トルコリラ2014年はジャヌアリーエフェクトでリラ買いトルコリラ2014年はジャヌアリーエフェクトでリラ買い

1月は第三週から動き出す

最後に、管理人なりの為替相場短観を紹介しましょう。結論から言えば、全く不透明です。理由は、月末にECB会合と米FOMCが控えているためです。これらの金融イベント次第では、為替相場はどちらにでも転ぶ可能性があります。それでも、先のジャヌアリー・エフェクトと併せて、ここで一年のトレンドが決まると言っても過言ではありません。

月末まで全く値動きがない訳でもないでしょう。第三週ともなれば、ポジション調整を終えたヘッジファンドが、雇用統計の結果を受けて動き出す時期です。この点、観測や思惑に沿って、トレンドらしきものが出ることでしょう。これに乗るのも一つの手です。ただ、それもビックイベント前の相場に築かれた砂上の楼閣であることを忘れてはなりません。

FX相場1月のイベントカレンダー

1 2 3
開場
4 5 6 7 8 9 10
この週はポジション調整 米雇用統計
11 12 13 14 15 16 17
この週からヘッジファンドが本格的に動き始める
18 19 20 21 22 23 24
日銀金融政策会合
トルコ政策金利発表
ECB理事会
25 26 27 28 29 30 31
FOMC開催 FOMC開催

トルコリラに関して言えば、利下げ観測が浮上している点も要注意です。トルコ中銀バシュチュ総裁が政策金利の利下げを匂わせています。昨年の1月にも、突然の利上げでサプライズが走ったトルコリラ相場です。2015年は20日に政策金利発表が予定されていますが、ここで臨時イベントが発生してもおかしくありません。利下げ見通しが出ているとなると、トルコリラはちょっと買い辛い所です。

兎にも角にも、ここからは事実の見極めが重要です。1月というのは、新年の期待と思惑だけで買いを入れてしまいやすい時期です。うっかり高値掴みをしないように、読者の方には市場の行方を見極めて、FXに臨んで頂きたいものです。特に、第3週からのトレンドでポジションに含み益が出ても、速やかに決済する潔さが重要です。FOMCを過ぎた月末からが本当の勝負所であることをお忘れなく。

※本コラムは、管理人個人の意見を述べたものであり、読者の方々に為替取引を強要するものではありません。FXは自己責任です。読者の方におかれたは、個々の裁量の範囲で取引を行って下さい。

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