去る2017年12月の政策会合にて、トルコ中央銀行は後期流動性ウィンドウ金利の0.5%引き上げを決めました。しかし、発表と同時にトルコリラのFXレートは下落。市場の期待を裏切る内容が嫌気される格好となりました。
もっとも、肝心のスワップポイントは実質的な利上げと同時に上昇。トルコリラ円の好調な上昇レートも手伝って、FX各社の一部では既にトルコリラスワップポイントも引き上げられています。
トルコ中央銀行4つの金利
最初にトルコ中銀のコントロールする4つの金利について説明を行っておきましょう。トルコ中銀はインフレ率をコントロールするに当たり、以下4つの金利をコントロールする方針を掲げています。
- 一週間物レポレート
- 翌日物貸し出し金利
- 翌日物借り入れ金利
- 後期流動性ウィンドウ金利
一般に言われるトルコ政策金利は、一週間物レポレートが指定されています。ただ、中銀と市中銀行の間でやりとりされる資金調達では、翌日物金利や後期流動性ウィンドウ金利が適用されます。特に後期流動性ウィンドウ金利は、市中銀行がトルコ中央銀行から行う資金調達の90%に適用されています。
今回、引き上げられた金利はこの後期流動性ウィンドウ金利です。昨年に開始を宣言した流動性オペの一環として、何度かの変更が加えられた基準金利です。今回の中銀発表は政策金利こそ据え置きであるものの、4つの金利のうち1つが引き上げられた点は、実質的な利上げと受け止めて良いと思います。
実質利上げでスワップポイント上昇
続いてスワップポイントの状況を見てみましょう。後期流動性ウィンドウ金利の0.5%引き上げで、一部のFX会社ではスワップポイントの見直しが図られたようです。トルコリラ円のFXレートも徐々に上昇してきているので、先月に比べてスワップポイントが上がったFX会社がいくつかありますね。
安定のセントラル短資FXでは83[円/日]前後から5円の増額。2017年12月下旬の現在、88[円/日]前後のスワップポイントを提供しています。
個人的な印象としては、中銀は慎重に利上げを始めようという方針があるように思えます。というのも、エルドアン政権からは「利上げGO」の発言があるものの、過去には批判を繰り返してきた経緯があるためです。トルコ中銀としても迂闊に利上げに踏み切れない状況があるのでしょう。
チェティンカヤ中銀総裁は穏健派のようでもありますし、利上げは徐々に進められるものと考えます。逆に言えば、ここからさらに政策金利引き上げの余地があるということですね。個人的にはエルドアン政権からのストップが掛かるまでは、穏やかに利上げが進むものだと考えています。
長期保有ならスワップポイント重視で
長期でトルコリラを保有する場合、日々のスワップポイントの金額で年間の利回りも変わってきます。この点、毎日のスワップポイントを安定して提供してくれるFX会社なら安心です。一方で、今回のようなケースで利回りが上がるのもスワップ運用の醍醐味ですね。この点、冒頭に紹介したセントラル短資FXはオススメですよ。
現在、トルコリラ円の長期チャートは下落が止まって横ばいの形です。ここら辺が長期運用玉の仕込み時ではないでしょうか。長期保有や積み立て運用を始めるチャンスだと思います。
チャートはセントラル短資FXのProgeressiveChartから。
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