今回はトルコリラ円が暴落した際の突っ込み買いを解説します。
先日、トルコと米国との外交関係が悪化するとの懸念が広がり、トルコリラが暴落するという事態がありました。こうした暴落がトルコリラでは年に1度のペースで発生するようです。今回は、その暴落を拾うタイミングについて述べたいと思います。
米国との関係悪化でリラ円暴落
最初にことの発端から。トルコ政府は10月の第一週に米国領事館に勤めるトルコ人職員を逮捕しました。背景には、昨年のクーデター事件に関わる捜査があったようです。この逮捕に対して、米国側が反発。トルコ国内でのビザ発給業務を停止する措置を打ち出しました。
これに対して、トルコ側も同様の措置で対抗。トルコ・アメリカ両国が互いにビザ発給を停止する事態に陥りました。当然ながら両国の外交関係に懸念が示される訳で、翌週の10月9日から世界の紙面を賑わす結果となりました。
このスキャンダルはトルコ・米国の対IS戦線の崩壊の思惑にまで及びました。外交リスク・地政学リスクの高まりを受けて、トルコリラはいつも通りの暴落。一時、トルコリラ円=28円台にまで落ち込んだ所は、トレーダー各位の知る所です。
もっとも、今回のような暴落は今に始まったことではありませんね。むしろ検証を行った結果、買いのチャンスであることが分かりました。2010年までのデータを遡ると、この手の暴落は計6回ありました。都合、年に一度来る暴落をチャンスに変えようと言うのが今回記事の主旨です。
暴落と移動平均乖離率の目安
本題に入ります。今回の手法は「暴落時のリバウンドを狙って買う」という戦略に基づいたものです。実はFXに限らず、株式市場でもそうした売買手法は存在します。何気に管理人のストラテジーの中でもお気に入りの部類です。
そんなリバウンド狙いの手法で使われる指標が「移動平均線からの乖離率(かいいりつ)」です。「○日間の移動平均線から終値が△%乖離した」ことを示す数字です。単純に言って、この数字が大きければ大きいほど一時的に売られすぎていることを示します。
- 売られすぎと乖離率の例
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- 日本株式市場:5日移動平均線からの乖離率10%
- 日本株式市場:25日移動平均線からの乖離率20%
- ドル円市場:10日移動平均線からの乖離率3%
上記の水準は一例です。対象となる通貨や金融商品によって乖離率の程度は異なります。理由は、値動きの大きさが異なるためです。株式なんかだと2倍銘柄というのも珍しくありませんが、為替は1割下落したら大変なことになります。
暴落時のリラ円を拾う手法
さて、我らがトルコリラの暴落目安はいかほどか?というお話です。結論を言いましょう。トルコリラ円の場合、以下の目安で買うと勝率6割程度で勝つことができます。
- トルコリラ円の売られすぎ目安:10日移動平均線からの乖離4%
厳密に言いますと、乖離率は4%きっちりでなくとも良く、3%~5%程度の乖離率で買えば繰り返しても損しないトレードをすることができます。その際、売られすぎの程度が浅い(=乖離率が小さい)ほどチャンスも多くやってきます。
さらに厳密に言いますと、検証の都合上で利益確定と損切りの作法も定義しています。具体的には「終値が25日移動平均線を越えを確定したら決済」というルールです。
上記の通り、エントリーと利益確定の両方を定義した上で、MetaTrader4を使って検証しました。その結果、今回の暴落買いの勝てる手法ができた訳です。
- 買い条件:リアルタイムレート10日移動平均線からの乖離4%で買い
- 決済条件:日足終値で25日移動平均線越えを確定したら売り(翌日)
- 損切り条件:買い価格からー0.50円で損切り
- 検証結果:勝率6割程度でトータルプラス
乖離率のチャート表示
最後に移動平均線からの乖離率をチャート上に示す方法を解説します。株式チャートではデフォルトで採用している会社が多いのですが、FXチャートではあまり見かけません。そこでエンベロープというインジケータで代用します。
エンベロープは乖離率を示すラインが表示されるインジケータです。セントラル短資FXのProgressiveChartならデフォルトで表示することが可能です。
※チャートはセントラル短資FXのProgressiveChartから
エンベロープの乖離率を5%に設定してやれば、暴落時にローソクがエンベロープのラインを越えるので分かります。上記のチャートでは、利益確定の25日移動平均線と併せて表示してみました。ProgressiveChartでの設定は以下の通りです。
以上の手法で暴落時もトルコリラの長期ポジションを仕込むチャンスがやってきます。FX口座はあらかじめ用意しておきたい所ですね。今回ご紹介したセントラル短資FXはスワップの安定感が高く、長期のポジション保有におすすめのFX会社です。