この記事は2014年に掲載したものです。最新のFX予想とトルコ経済事情について気になる方は以下のページをどうぞ。
先日6月6日(金)に雇用統計が発表されました。結果は「市場の予想通り」。無難にイベントを通過し、市場に楽観的な空気が漂っているように思います。
肝心のトルコリラはというと、指標発表後に大きく買われました。ただ、個人的には、いま一つトレンドが見えてきません。見通しは悪いように思います。
そんな筆者の相場感を、雇用統計前後の動き絡めて語っていきましょう。内容は以下の通りです。
米雇用統計の結果
先日、6月6日(金)に毎月恒例の米雇用統計が発表されました。結果は、以下の通りです。
- 非農業部門雇用者数+21万7000人(市場予想=+21万8000人)
- 失業率6.3%(前月比±0%)
発表の結果は、「予想通り」。市場のコンセンサスと変わらない結果となりました。このためか、EUR/USD、GBP/USDなど、先進国の為替レートは発表前後で大して動いていません。動いたのは、トルコリラを始め、南アフリカランドやオーストラリアドル、ニュージーランドドルなど。リスク通貨です。無難な指標の結果により、市場はリスクオンを示していたようです。
米縮小緩和のペースについても、特に市場観測に変化はないようです。FRBは、雇用回復が鈍化すればペースを緩めるとの見方をされています。今回は、順調な回復ペースを保っているため、FRBは特にアクションを取ってこないであろうと思います。
雇用統計後のトルコリラペアの動き
雇用統計直後のトルコリラの動きを見ていると、一つ面白いことに気づきました。トルコリラ円の上昇率です。
トルコリラの通貨ペアは、以下の3つがメジャーなペアとなっています。
- USD/TRY(トルコリラ対ドル)
- EUR/TRY(トルコリラ対ユーロ)
- TRY/JPN(トルコリラ対円)
この中で、大きく伸びを見せているのがTRY/JPNの通貨ペアです。その背景には、円対ドルの為替レートが動き始めたことがありそうです。円の対ドルレートは、5月に停滞。その後、6月に入って円安の兆しを見せてきました。
直近の円安は、株高が原因であろうと筆者は思います。海外勢は日本株を買い入れる際に、為替リスクのヘッジとして円売りを行います。外資から見ると、株価が上がっても円安となっては、株の資産価値が目減りするからです。外資ヘッジファンドの常套手段となっています。
上記の円安の結果、トルコリラペアの中でも、リラ高の恩恵を最も受けたのが、TRY/JPNの通貨ペアでした。円安とリスクオンによるリラ高の両方の恩恵を受けています。もう、TRY/JPN=50円に届く勢いです。
45円台底値の頃からトルコリラをバイアンドホールドしている人は、かなり利益が増えたのではないでしょうか。レバレッジ1倍でも、為替差益だけで+約10%の利益です。
市場の反応と見通し
雇用統計を過ぎた、週明け月曜日。市場は特段大きな動きは見られずにいます。株高・円安も一服。次の動きが出るまで、凪いでいる印象があります。
本日のニュースを見てみると、雇用統計は「無難に通過した」というのが、市場の受け止め方のようです。付け加えるならば、VIX(恐怖)指数が低下。市場は、楽観的な見通しを持っていることを示しています。
株安・株高の観点から見てみると、6月の東証指数は例年上昇する傾向にあります。これは、5月が「株式決算セール」の月で売りが売りを呼ぶためで、これを過ぎて6月に入ると株価が若干持ち直す傾向があります。
この点、外資勢の為替ヘッジで円安がもう少し進みそうです。リラ買いに限って言えば、トルコリラ円の通貨ペアが面白そうではあります。
もっとも、トルコメジャー(USD/TRY,EUR/TRY)は現在、レンジ相場を展開していてす。
このため、筆者は方向感が見えずにいます。自信を持ってポジションを取りにいけません。ブレイクアウトするまで、しばらく膠着状態だと予想しています。。今日はロンドン勢にも動きが見られません。ここからは、この後に控えるイベントをこなすまで様子見としたいと思います。